「志望動機に何を書けばいいかわからない」「例文を参考にしたいけど、どこから探せばいい?」——小学校受験の願書で最も頭を悩ませる保護者が多いのが、志望動機の記入欄です。学校側はこの欄から、ご家庭の教育方針や本校への理解度を読み取ろうとしています。この記事では、学校タイプ別の例文5選・文字数別テンプレート・絶対避けるべきNG例・自分の言葉で書く5ステップまでを徹底解説します。ぜひ最後まで読んで、合格に近づく志望動機を完成させてください。
【例文5選】学校タイプ別・小学校受験の志望動機サンプル

志望動機は、受験する学校のタイプによって「重視すべき視点」や「使うべきキーワード」が異なります。
カトリック系・大学附属・進学校・のびのび系・伝統校——それぞれの学校が大切にする価値観に沿った表現を選ぶことで、読む先生の心に響く志望動機になります。
以下の例文はあくまでサンプルです。そのままコピーするのではなく、ご家庭の実際のエピソードや言葉に置き換えて活用してください。

例文①カトリック系・ミッション系小学校向け
カトリック系・ミッション系小学校では、「神の前に誠実に生きる」「隣人を愛する心」といったキリスト教精神に基づく人間形成が教育の根幹です。
単に「キリスト教に共感しています」と述べるだけでなく、その精神がどのようにご家庭の子育てと結びついているかを具体的に伝えることが重要です。
【例文】貴校のキリスト教精神に基づく『他者への奉仕と感謝の心を育む』という教育理念に、深く共感し志望いたしました。私共は日頃から、食事の前の『いただきます』の意味を丁寧に伝え、身近な人への感謝を言葉にする習慣を大切にしてまいりました。娘は思いやりが強く、困っている友人がいると自然と手を差し伸べる子です。貴校の温かな共同体の中で、人を愛し、人のために行動する力をさらに育んでいただけると確信し、志望いたしました。
ポイント:「奉仕」「感謝」「愛」など学校の理念に直結するキーワードを家庭のエピソードと結びつけて表現します。宗教的背景に触れつつ、押しつけがましくならないトーンを心がけましょう。
例文②大学附属小学校向け
大学附属小学校の最大の魅力は、小学校から大学まで続く一貫教育体制です。
学校側は「なぜ一貫教育を選ぶのか」「附属校の環境でどう育てたいか」という点を注意深く確認しています。「エスカレーター式で楽だから」という本音は絶対に出さないよう注意が必要です。
【例文】貴校の小学校から大学まで一貫した『探究心を育む教育』に魅力を感じ、志望いたしました。受験という外部からのプレッシャーに縛られることなく、子ども自身が『なぜ?』という問いを大切に、じっくりと学びを深められる環境を求めていました。息子は図鑑を読みながら自分で実験を考えるような探究心の強い子です。貴校の充実した設備と先生方のご指導のもと、知的好奇心を存分に伸ばし、自立した学習者として成長してほしいと願い、志望いたしました。
ポイント:「一貫教育だから安心」ではなく「一貫した環境だからこそ深められる学び」という視点で書くと学校側に好印象を与えます。
例文③独立系・進学校向け
独立系の進学校は、高い学力水準と知的な刺激を重視する家庭が多く集まります。
ただし「頭がいい学校だから」という単純な理由は通用しません。学校の教育手法への具体的な共感と、子どもの学ぶ意欲を組み合わせて表現することが合格への鍵です。
【例文】貴校の『考える力を育む』という教育理念と、思考力・表現力を重視したカリキュラムに強く共感し、志望いたしました。私共は、答えを教えるのではなく、子どもが自分で考え抜く習慣を家庭内で大切にしてきました。娘は問題を解くよりも『なぜそうなるのか』を考えることを楽しむ子で、貴校の授業スタイルに大変合っていると感じております。知的に刺激し合える仲間と共に、深く考え、自分の考えを堂々と発信できる力を磨いていただきたいと思い、志望いたしました。
ポイント:「進学実績」や「偏差値」といった数値的な評価への言及は避け、教育手法・授業スタイルへの共感を前面に出しましょう。
例文④共学・のびのび系小学校向け
のびのび系・自由な校風の学校は、子どもの主体性や自然体験、仲間との関わり合いを大切にする教育方針が特徴です。
「のびのびしていてほしい」という漠然とした理由ではなく、学校の具体的な取り組みへの共感と、子どもの個性がどう活かされるかを結びつけることが大切です。
【例文】貴校の豊かな自然環境の中で、子ども同士が関わり合いながら主体的に学ぶ姿勢を育む教育方針に、深く感銘を受け志望いたしました。私共は、外遊びや自然体験を通じて感性と体力を育てることを子育ての軸としており、貴校の環境はまさに理想そのものです。息子は体を動かすことが大好きで、仲間と一緒に何かをやり遂げる経験を積み重ねてきました。貴校で、自分らしく伸びやかに成長し、人との絆を深めながら『やり抜く力』を養ってほしいと願い、志望いたしました。
ポイント:自然・体験・主体性といった学校のキーワードを、子どものエピソードと丁寧に結びつけるとリアリティが増します。
例文⑤伝統校・名門校向け
伝統校・名門校は長い歴史と格式を誇り、礼儀・品格・奉仕の精神を重んじる傾向があります。
こうした学校への志望動機では、歴史や伝統への敬意と、その精神をご家庭でも大切にしている姿勢を格調高い文体で表現することが求められます。
【例文】創立以来、長い伝統のもとで品格ある人間形成を育んでこられた貴校に、深い敬意を抱き志望いたしました。貴校の『礼節と自律』を重んじる教育方針は、私共が子育てを通じて最も大切にしてきた価値観と完全に一致しております。娘には幼少期より挨拶・礼儀を厳しくではなく自然に身につけさせてまいりました。貴校の伝統ある環境の中で、品格と知性を兼ね備えた女性へと成長していただきたいと心より願い、志望いたしました。
ポイント:「名門だから」ではなく「学校の伝統・価値観とご家庭の教育方針の一致」を核心に置いた表現にしましょう。文体も丁寧かつ格調を意識することが大切です。
【文字数別】願書の志望動機テンプレート|150字・200字・300字

願書の志望動機欄は、学校によって指定文字数が異なります。
150字・200字・300字の3パターンを押さえておくことで、どの学校の願書にも対応できます。
文字数が少ない場合は要点を絞り込み、多い場合はエピソードを加えて肉付けする、という考え方で調整しましょう。

150字バージョン(コンパクト型)
150字という限られたスペースでは、「学校の教育方針への共感」と「子どもの特性」の2点に絞り込むことが鉄則です。
余分な情報を詰め込もうとすると内容が散漫になるため、最も伝えたい1つの軸を明確にして書くことが重要です。
【テンプレート:150字】貴校の『〇〇(学校の教育理念・キーワード)』という教育方針に深く共感し、志望いたしました。私共は〇〇(家庭の教育方針を1文で)を大切にしており、〇〇な(子どもの特性・性格)息子/娘にとって、貴校はまさに理想の環境と確信しております。ぜひ貴校で〇〇(期待すること)を育んでいただきたく、志望いたしました。
コンパクト型のコツ:学校の教育理念のキーワードを1語ピックアップし、そのまま文中で使うと簡潔かつ的確な印象を与えられます。
200字バージョン(標準型)
200字は多くの学校で最も一般的な文字数設定であり、この文字数に慣れておくことが最優先です。
「学校への共感」「家庭の方針」「子どもの特性」の3要素を、それぞれ1〜2文で表現するのが理想的な構成です。
【テンプレート:200字】貴校の『〇〇』という教育理念に深く共感し、志望いたしました。私共は日頃から〇〇(具体的な家庭での取り組み)を心がけており、〇〇(子どもの具体的なエピソードや特性)な息子/娘の成長には、貴校の環境が最適と感じております。貴校の〇〇(具体的なプログラム・取り組み)を通じて、〇〇(入学後の期待)を育んでいただきたく、志望いたしました。
標準型のコツ:「家庭での取り組み」と「子どものエピソード」を1つずつ入れることで、具体性が増し読み手の印象に残りやすくなります。
300字バージョン(詳細型)
300字のスペースがある場合は、志望のきっかけ(学校説明会・公開授業など)を加えることで、より説得力のある文章になります。
「学校への共感」→「きっかけ」→「家庭方針」→「子どもの特性」→「期待と覚悟」という5段構成が詳細型の黄金パターンです。
【テンプレート:300字】貴校の『〇〇』という教育理念に深く共感し、志望いたしました。昨年〇月に参加した学校説明会(または公開授業・文化祭など)において、先生と子どもたちの〇〇(具体的な場面)を拝見し、この環境でわが子を学ばせたいという思いがさらに強くなりました。私共は〇〇(家庭の教育方針を2文程度で)を子育ての軸としております。息子/娘は〇〇(子どもの具体的な特性・エピソード)という子で、貴校の〇〇(プログラム・環境)の中で、その強みをさらに伸ばしていただけると確信しております。どうぞよろしくお願いいたします。
詳細型のコツ:学校訪問の具体的な日付や場面を入れると「本当に来校した」という信頼感が増し、他の志望者との差別化にもなります。
小学校受験の願書|志望動機で学校が見ている3つの評価ポイント

学校の先生は願書の志望動機を読む際、何を評価しているのでしょうか。
小学校受験新聞の校長先生によるアドバイスにも示されているように、志望動機には「ありのまま」の家庭の姿を表現することが大切とされています。
具体的に、学校側が志望動機から読み取ろうとしているポイントは主に以下の3つです。
教育方針への理解度と共感の深さ
学校側がまず確認するのは、「この家庭は本校の教育方針を本当に理解しているか」という点です。
「御校の教育に共感しました」という一言だけでは不十分で、具体的にどの理念・どのプログラムに共感したのかを明示することが必要です。
例えば「思いやりのある子を育てる」という方針を掲げている学校の場合、その言葉をそのまま使うだけでなく、「この方針のどこに共感し、どう家庭で体現しているか」まで書けると理解度の深さが伝わります。
学校案内やホームページを読み込むだけでなく、説明会・公開授業への参加など、実際の体験から得た感想を盛り込むことが最も効果的です。
家庭の教育観との一貫性
志望動機に書かれた内容が、家庭の日常と矛盾していないかどうかも重要な評価ポイントです。
願書に書いた内容は、後の面接でもそのまま問われることが多いため、「願書に書いた家庭の教育方針」と「面接で話す内容」が一致していることが必須です。
例えば、「自然体験を大切にしています」と書きながら、面接では具体的なエピソードを答えられない——という状況は大きなマイナス評価につながります。
書いた内容をご夫婦で共有し、どちらが聞かれても同じように答えられる状態にしておくことが、一貫性を示す実践的な方法です。
入学後の成長ビジョンが描けているか
「入学させてほしい」という願望を伝えるだけでなく、「入学後にどのように成長してほしいか」という具体的なビジョンが描けているかどうかも評価されます。
成長ビジョンは、漠然とした「立派な人間に育ってほしい」ではなく、「貴校の◯◯プログラムを通じて、△△という力を伸ばしてほしい」というように、学校の具体的な取り組みと結びついた形で書くことが理想です。
学校側にとって「この家庭は入学後も積極的に関わってくれる」という安心感を与えられると、志望動機全体の評価が大きく向上します。
志望動機に必ず入れるべき5つの要素【構成の型】

完成度の高い志望動機には、必ず含まれている5つの要素があります。
この「構成の型」を先に理解してから書き始めることで、何度も書き直す手間を大幅に省くことができます。

①学校の教育方針・理念への共感
志望動機の冒頭は、必ず「学校の教育方針への共感」から始めるのが基本の型です。
学校のパンフレットやホームページから引用したキーワードを1語ピックアップし、「その言葉のどこに共感したのか」を1〜2文で表現します。
例:「貴校の『自ら考え、行動する力を育てる』という教育方針に、深く共感し志望いたしました。」
この冒頭の一文が明確であるほど、読む先生に「この家庭はうちの学校を理解している」という好印象を与えることができます。
②家庭の教育方針・子育ての軸
次に、ご家庭が日頃の子育てで大切にしていることを1〜2文で記します。
抽象的な「愛情を持って育ててきました」という表現ではなく、「毎朝10分、子どもと対話の時間を設けています」「自然体験を通じた学びを優先してきました」のように、具体的な行動レベルで書くことが大切です。
ここで書く内容が、学校の教育方針(①で書いた内容)と重なっていると、「家庭と学校の方向性が一致している」というメッセージが伝わります。
③子どもの性格・特性・強み
子どもの個性を伝える際は、「優しい子です」「元気な子です」という一般的な言葉ではなく、エピソードを添えて具体的に表現することが重要です。
例:「困っているお友達がいると、自分から声をかけずにはいられない思いやりの強い子です。」
短い1文でもエピソードの片鱗が見えると、子どもの個性がリアルに伝わり、志望動機全体に説得力が生まれます。
また、子どもの特性が学校の教育方針とどう合っているかを結びつけると、さらに完成度が高まります。
④学校との接点・志望のきっかけ
「なぜこの学校を知り、受験しようと思ったのか」というきっかけを書くことで、志望動機に信頼性が生まれます。
学校説明会・公開授業・文化祭・知人の紹介など、実際の接点を明記しましょう。
例:「昨年秋の学校説明会に参加し、先生と子どもたちの生き生きとした交流を拝見した際に、この学校しかないと確信いたしました。」
小学校受験新聞の校長先生のコメントでも「本校をお知りになった理由に優劣はない」とあるように、きっかけの種類よりも「それがなぜ志望につながったか」を丁寧に書くことが大切です。
⑤入学後に期待すること・家庭の覚悟
締めくくりには「入学後に子どもにどう成長してほしいか」と「家庭として学校教育にどう関わる覚悟があるか」を表現します。
「覚悟」を示す表現の例:「学校と家庭が連携し、一体となってわが子の成長を支えていきたいと考えております。」
この一文があるだけで、「入学させればあとはよろしく」という受け身ではなく、積極的に関与する家庭という印象を与えることができます。
志望動機でやってはいけないNG例5選【失敗パターン】

どれだけ丁寧に書いても、特定のパターンに当てはまると評価が大きく下がります。
以下の5つのNG例は、多くの保護者が無意識に陥りがちな失敗パターンです。
自分の志望動機と照らし合わせながら確認してみてください。
NG①学校案内の丸写し・コピペ感が出ている
学校の資料やホームページの文言をそのまま写したような志望動機は、先生が読んだ瞬間に「コピペだ」と気づきます。
例:「貴校は◯◯を大切にする教育で知られており、長年にわたって多くの卒業生を輩出してきた名門校です。」→これは学校の紹介文であり、志望動機ではありません。
学校の文言を引用する場合は、必ず「なぜその言葉が刺さったのか」「家庭の何と重なったのか」という自分の言葉を添えることが必須です。
NG②子どもの自慢・実績の羅列になっている
「息子は英検◯級を取得し、水泳では◯位を獲得しました。ピアノも◯年間続けています。」という実績の羅列は、志望動機ではなく実績紹介になってしまいます。
資格や習い事の実績は、学校の教育方針と結びつけた形で1つだけ引用する程度に留め、メインは「なぜこの学校なのか」という理由に集中させましょう。
子どもの自慢が強く出る志望動機は、読む先生に「この保護者は学校を評価している視点が欠けている」という印象を与えてしまいます。
NG③他校との比較・批判が含まれている
「他の学校と比較して、貴校の方が◯◯の点で優れていると感じました」「公立小学校では◯◯が心配なため」といった他校との比較・批判表現は絶対に避けるべきNG行為です。
読む先生にとって不快であるだけでなく、「この保護者はネガティブな動機で受験している」という判断につながります。
あくまでも「貴校だからこそ」というポジティブな理由のみで構成することが鉄則です。
NG④抽象的すぎて具体性がない
「素晴らしい教育環境に魅力を感じました」「子どもの可能性を伸ばしていただける学校だと思いました」——こうした表現はどの学校にでも使える汎用的な文章で、読んでいる先生には何も伝わりません。
「素晴らしい環境」とは具体的にどの環境なのか、「可能性を伸ばす」とはどのプログラムによるものなのか——必ず固有名詞や具体的な場面を入れることが必要です。
具体性の欠如は、学校への理解度の低さと受け取られてしまいます。
NG⑤親の願望を押し付けている
「子どもを将来医者にしたいので、貴校で基礎学力を徹底的に鍛えてほしいです」「偏差値の高い学校に進学できるよう導いてください」——これは親の夢・野心を子どもに押しつけているように読まれます。
学校が求めているのは、子どもの個性を尊重しながら育てたい家庭です。
「◯◯になってほしい」ではなく「◯◯という力を身につけてほしい」「◯◯という人間に育ってほしい」という、子どもの成長プロセスに寄り添った表現を心がけましょう。
志望動機のNG例については、こちらの動画でも詳しく解説されています。
【5ステップ】自分の言葉で志望動機を書く方法

例文を参考にしながらも、最終的には「自分の言葉」で書き上げることが合格への近道です。
以下の5ステップを順番に実践することで、説得力のある志望動機を完成させることができます。
STEP1|学校の情報を徹底収集する
まず行うべきは、志望校の情報を徹底的に集めることです。
確認すべき情報源:
- 学校公式ホームページ(教育方針・沿革・校長メッセージ)
- 学校説明会・公開授業での体験
- 学校パンフレット・募集要項
- 在校生・卒業生の保護者からの口コミ
特に校長先生のメッセージには、学校が最も大切にしている価値観が凝縮されているため、必ず精読してください。
情報収集の際は、気になったキーワードや表現をメモしながら読み進めると、後の執筆がスムーズになります。
STEP2|家庭の教育方針を言語化する
多くの保護者がつまずくのが、「自分たちの教育方針を言葉にする」というステップです。
以下の質問に答えながら、ご夫婦でじっくりと話し合ってみてください。
- 子どもにどんな大人になってほしいか?
- 日頃の子育てで大切にしていること・意識していることは?
- 子どものために意識的に取り組んでいることは?
- 家族で大切にしているルーティン・習慣は?
この作業を通じて出てきた言葉が、志望動機の骨格となる「家庭の軸」になります。
STEP3|学校と家庭の接点を見つける
STEP1で集めた学校の情報と、STEP2で言語化した家庭の方針を並べて、重なっている部分・共鳴している部分を探します。
例:学校の方針「自律と協働」 × 家庭の方針「子どもが自分で考えて動く習慣を大切にしている」→接点「自律心の育成」
この接点こそが、「なぜこの学校でなければならないのか」という志望動機の核心になります。
接点が見つからない場合は、そもそもその学校との相性を見直すことも重要な判断です。
STEP4|構成に沿って下書きする
前章で紹介した5つの要素(①学校理念への共感→②家庭の方針→③子どもの特性→④きっかけ→⑤期待と覚悟)に沿って、下書きを作成します。
最初は文字数を気にせず、思ったことを全て書き出すことが重要です。
「上手に書こう」「いい文章にしよう」という意識は後回しにして、まずは素直な言葉で書き続けましょう。
下書きが完成したら、指定文字数に合わせて削ったり、表現を整えたりする作業に入ります。
STEP5|推敲・セルフ添削で仕上げる
下書きが完成したら、最低でも3回は推敲を重ねてください。
推敲時のチェックポイント:
- 志望する学校のキーワードが自然に使われているか
- 家庭のエピソードが具体的か
- 子どもの特性が伝わるか
- 読んでいて心が動くか(感情的な共鳴があるか)
- 文法・誤字脱字はないか
また、夫婦どちらかが書いた場合は、もう一方が声に出して読み上げることで不自然な箇所に気づきやすくなります。
完成した文章は、必ず本番の願書に書く前に何度か練習し、乱れのない丁寧な文字で仕上げましょう。
【保存版】志望動機セルフ添削チェックリスト10項目

書き上げた志望動機を提出前にセルフチェックするための10項目リストです。
全てにチェックが入れば、高水準の志望動機が完成しています。
- 学校の教育方針・理念のキーワードが1つ以上盛り込まれているか
- そのキーワードへの「共感の理由」が具体的に書かれているか
- 家庭の教育方針が1つ以上、具体的な言葉で表現されているか
- 子どものエピソード・特性が最低1つ含まれているか
- 志望のきっかけ(説明会・公開授業など)が明記されているか
- 入学後の成長への期待が学校の取り組みと結びついているか
- 学校案内の文言の丸写しになっていないか
- 子どもの実績の羅列になっていないか
- 他校との比較・批判表現が含まれていないか
- 誤字・脱字・文法ミスがないか(声に出して読んで確認)
チェックが入らない項目があれば、その部分を重点的に修正してから提出しましょう。
また、ご夫婦で互いにチェックし合うダブルチェック体制を取ることをおすすめします。
【ビフォーアフター】添削事例で学ぶ改善ポイント

実際の添削事例を通じて、志望動機がどのように改善されるかを見ていきましょう。
「どこが悪いか分かりにくい」という方も、ビフォーアフターで比較することで改善すべき点が一目でわかります。

Before:よくある失敗例
【Before(添削前)】
「貴校は伝統ある名門校として知られており、多くの優秀な卒業生を輩出しております。貴校の充実した教育環境と素晴らしい先生方のもとで、息子を学ばせていただきたいと思い志望いたしました。息子は英語と算数が得意で、ピアノも5年間続けています。将来は優秀なビジネスマンになれるよう、貴校でしっかりと基礎を固めていただきたいと思っております。」
この文章の問題点:
- 冒頭が学校の紹介文になっている(コピペ感)
- 実績の羅列(英語・算数・ピアノ)になっている
- 「充実した教育環境」「素晴らしい先生方」という抽象表現のみ
- 親の願望(優秀なビジネスマン)を押し付けている
- 学校の教育方針への言及がゼロ
After:改善後の志望動機
【After(添削後)】
「貴校の『自ら問い、自ら考える力を育む』という教育理念に深く共感し、志望いたしました。私共は日頃から、答えをすぐ教えるのではなく、息子が自分で考え抜く時間を大切にしてまいりました。息子は一つのことに集中して取り組む粘り強さがあり、疑問を持つと納得するまで追求する性格です。昨年秋の学校説明会にて、先生と子どもたちが対等に議論する授業の様子を拝見し、この学校こそわが子に最適な環境と確信いたしました。貴校の◯◯プログラムを通じて、知的好奇心を存分に伸ばし、自分の考えを堂々と発信できる子どもに育ってほしいと願っております。」
この事例から学ぶ3つの改善ポイント
改善ポイント①:冒頭を「学校の教育方針への共感」に変更
Beforeでは学校の紹介文から始まっていましたが、Afterでは「学校のキーワードへの共感」を冒頭に置くことで、読む先生に「理解度の高さ」を最初に示しています。
改善ポイント②:実績→エピソードに転換
「英語・算数が得意・ピアノ5年」という実績の羅列を削除し、「粘り強さ・探究心」という性格特性をエピソードで表現することで、子どもの個性がリアルに伝わる文章になりました。
改善ポイント③:親の願望→子どもの成長ビジョンに変更
「優秀なビジネスマンに」という親の野心を、「知的好奇心を伸ばし自分の考えを発信できる子に」という、子どもの成長プロセスに寄り添った表現に改めることで、学校側の教育観と一致した内容になりました。
自力で書くのが難しい場合の選択肢

「自分では上手く書けない」「客観的なアドバイスが欲しい」という場合は、専門家の力を借りることも有効な選択肢です。
ただし、いずれのサービスも、最終的には自分の言葉・家庭の実情に合わせた内容を基に書くことが前提であることを忘れないでください。
幼児教室の願書対策講座を活用する
多くの幼児教室では、秋の受験シーズンに向けて「願書対策講座」を開催しています。
講師が直接添削・フィードバックをしてくれるため、一般的な例文だけでは対応しきれない学校固有の要件に対応できる点が最大のメリットです。
費用は1回あたり1万〜3万円程度が相場ですが、在籍している教室であれば無料・低価格で受けられる場合もあります。
受講の際は、事前に学校の教育方針を自分でまとめたメモと、家庭の教育方針の下書きを用意しておくと、添削の質が大幅に上がります。
オンライン添削サービスを利用する
近年は、オンラインで願書の添削を受けられるサービスも増えています。
幼児教室に通っていない家庭や、地方在住で通いにくい家庭にとっては特に有効な選択肢です。
メリット:時間・場所を選ばず利用できる、複数回添削を受けられるサービスもある
注意点:サービスの質にばらつきがあるため、小学校受験に特化した専門家かどうか必ず確認すること
まずは自分で書いてみることが大切な理由
どんなに優秀な専門家に添削を依頼しても、土台となる「自分の言葉・家庭の想い」がなければ、良い志望動機は生まれません。
また、面接では願書に書いた内容について深く掘り下げた質問がされます。
「他人に書いてもらった文章」では、面接の場で自信を持って話すことができません。
専門家に頼む場合も、まず自分で下書きを作ってから添削を依頼する——というプロセスを必ず踏んでください。
小学校受験の願書・志望動機に関するよくある質問
保護者の方から多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 志望動機は父親と母親どちらが書くべき?
A: どちらが記入するかに明確なルールはありませんが、多くの学校では「主に子育てを担っている親が書く」ことを前提にしています。重要なのは、夫婦で内容を共有し、どちらが面接で聞かれても同じ内容を話せる状態にしておくことです。書いた側が面接で使った言葉をそのまま答えられるよう、事前に読み合わせを必ず行いましょう。
Q. 複数校受験する場合、志望動機は使い回せる?
A: 使い回しは厳禁です。学校ごとに教育方針・理念は異なるため、志望動機も必ず学校ごとに書き直す必要があります。「学校の教育理念のキーワード」と「きっかけ(説明会の日時など)」は必ず変更してください。家庭の教育方針や子どもの特性は共通部分を活用できますが、学校との「接点」となる部分は必ずオリジナルにしてください。
Q. 志望動機の文字数が足りない場合の対処法は?
A: 指定文字数に対して大幅に不足している場合は、子どものエピソードを1つ追加するか、学校訪問時の具体的な体験談を加えることで自然に文字数を増やせます。指定文字数の90〜100%を埋めることが理想です。逆に文字数が余る場合は、最も伝えたい内容以外を思い切って削ぎ落とす勇気も大切です。
Q. 願書提出後、面接で志望動機を聞かれたら?
A: 面接では願書の内容を丸暗記して答えるのではなく、願書に書いた内容を「土台」にしながら、自分の言葉で話すことが求められます。願書の文章をそのまま読み上げたような答え方は不自然に聞こえます。「願書に書いた内容をさらに深掘りした話」ができるよう、書いたエピソードの背景まで話せる準備をしておきましょう。
Q. 共働き家庭でも不利にならない志望動機の書き方は?
A: 共働きであることを隠す必要はありません。むしろ「共働きだからこそ大切にしている時間の使い方」や「週末の過ごし方・子どもとの対話の習慣」を積極的に書くことで、誠実さが伝わります。また、「学校行事への積極的な参加意欲」を明示しつつ、職場の理解や家族サポート体制についても簡潔に触れると、安心感を与えられます。
まとめ|志望動機は「家庭の想い」を伝える最初の機会
小学校受験の志望動機は、単なる「受験書類の一項目」ではありません。
ご家庭の教育観・子どもへの想い・学校への理解度——この全てを300字前後の文章に凝縮した「家庭の名刺」です。
この記事でご紹介した内容を振り返ると、合格する志望動機の核心は次の5点に集約されます。
- 学校の教育方針への具体的な共感:キーワードを自分の言葉で解釈して表現する
- 家庭の教育方針の言語化:具体的な行動・習慣レベルで示す
- 子どものエピソード:実績の羅列ではなく性格・特性を1つのエピソードで伝える
- 学校との具体的な接点:説明会・公開授業など実際の体験を明記する
- 入学後の成長ビジョンと覚悟:学校と家庭が連携する姿勢を示す
NG例を避け、5つの要素を盛り込み、セルフ添削チェックリストで仕上げれば、あなたの家庭にしか書けない志望動機が完成します。
まずは「家庭の教育方針を書き出す」ことから始めてみてください。
願書提出まで、できる限り早く下書きを始めることが、合格への最短ルートです。



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